避難場所の確認や情報収集に、インターネットは非常に有効な手段です。インターネットは災害に強く、家族・友人などの安否確認にも利用できます。今年9月4日には、これまで災害発生時に無料で開放されてきた公衆無線LANサービス「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」が、携帯電話の大規模な通信障害が発生した際にも無料開放されることになりました。無料かつ登録不要で利用できる00000JAPANは心強い味方ですが、一方、セキュリティ面における危険性も孕んでいます。本記事では、00000JAPANの使用方法と注意点に加え、00000JAPAN以外の回線障害時の対策・防災アプリを紹介します。
大規模災害時には、以下のインターネット被害が起きる可能性があります。
インターネットが利用できないと、情報収集・現状把握・安否確認・避難経路の確保などが困難になる恐れがあります。停電による自宅回線の停止時は、モバイルデータ通信をはじめとした災害に強いインターネット回線で接続できないか確認しましょう。
大規模災害時に、インターネットが果たす役割について解説します。
災害発生から72時間は、政府・地方自治体・気象庁などがインターネットを通じて被災者に災害情報を一斉配信します。総務省の「災害時に活用できる情報伝達手段」によれば、被災者への連絡手段として以下のような方法が使われます。
上記のうち、インターネットでも利用できるのはLアラートと災害・避難情報の一斉配信サービスです。携帯電話事業者・ネット事業者などを通じて、避難勧告・防災情報・Jアラートなどを通知します。
一斉配信された情報は必ず目を通し、適切な行動を心がけましょう。
インターネットを通じて正確な災害情報の収集・提供をしましょう。災害情報を収集するためのコンテンツには、以下のようなサービスがあります。
また、SNSを利用すれば情報収集だけでなく被災地の状況を提供できます。情報提供するSNSとしては、ユーザーが多く拡散しやすいTwitterやInstagramがおすすめです。
台風・地震などの災害が起きた場合、インターネットで道路や電車の情報を確認しましょう。
一般的に電車は、瞬間風速が秒速25メートル以上の台風で運休になります。電車が運休になると移動が困難になるため、あらかじめ各鉄道会社の公式サイトで運行状況をチェックしましょう。車の場合は、道路状況を以下のサービスでリアルタイムに確認できます。
災害で電話が通じにくいときでも、インターネットなら家族・知人などと連絡できる可能性が高いです。
災害時には警察・消防・救急といった緊急電話を優先するため、通信キャリアが電話回線を制限します。しかし、インターネットのデータ送受信は複数ルートを使うため、災害時に強くつながりやすいです。特にメール・LINE・SMSなどのテキストメッセージは、容量が少なく相手に届きやすい連絡手段です。
災害でインターネット回線がつながらないときには、以下のような対処法があります。
00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)とは、携帯キャリアのdocomo・au・SoftBankが災害時に共同して無料開放するフリーWi-Fiです。2016年の熊本地震ではじめて提供され、以降は台風・大雨・地震などの災害時に無料開放されています。また、2023年からは災害時だけでなく大規模通信障害時にも00000JAPANの利用ができるようになりました。
00000JAPANを利用するとインターネット接続・緊急通報・LINE通話などが可能です。使用方法は、スマートフォンのWi-Fi画面のネットワーク一覧から00000JAPANを選択するだけです。パスワード・メールアドレス登録などの認証は不要で、利用時間や接続回数の制限もありません。
2023年5月のガイドライン改定で、災害発生時だけでなく大規模通信障害時にも00000JAPANが利用できるようになりました。
政府は防災のためのWi-Fi環境整備を推進しており、避難所・被災場所などに地方自治体の主導でフリーWi-Fiの設置を進めています。全国に約3万箇所の整備が完了しており、平時は観光に役立てつつ災害時にインターネット接続を確保できます。
フリーWi-Fiは、学校・市民センター・公民館・官公庁・博物館・自然公園などを中心に設置されました。住んでいる地域の設置箇所は、地方自治体の公式サイトから確認しましょう。
NTTグループは、2020年から公衆電話ボックスに設置されているWi-Fiアクセスポイントにバックアップ電源機能の設置を開始しました。停電時にもフリーWi-Fiが利用できるため、大規模災害時にインターネット接続を確保する手段として注目されています。
NTTグループは今後も地方自治体と連携し、停電時にも利用できるWi-Fiアクセスポイントを拡大する予定です。なお、公衆電話ボックスのWi-Fiアクセスポイントは、NTTBTが提供する認証アプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」に対応しています。Japan Connected-free Wi-Fiをインストールすると、日本全国の主要な空港・駅・観光施設など14万箇所以上でフリーWi-Fiの利用が可能です。
大規模災害時には、衛星通信によるインターネット接続が連絡手段として有効です。衛星通信は災害時にもネットワークを確保でき、広域性・同報性・柔軟性・容量に優れています。そのため、避難所・病院・庁舎などのバックアップ回線としての使用が想定されています。
災害時に停電で自宅のインターネット回線が停止した場合は、テザリングを利用しましょう。テザリングとは、スマートフォン・iPhoneなどモバイルデータ通信ができるデバイスを利用してパソコン・タブレットをインターネット接続する仕組みです。
自宅回線は停電で停止しますが、モバイルデータ通信の基地局は予備電源を備えておりインターネット接続できる可能性が高いです。
災害時でも、駅・コンビニのフリーWi-Fiが利用できる可能性があります。フリーWi-Fiが提供されているコンビニは以下の通りです。
ローソン・ファミリーマート・ミニストップは独自Wi-Fiを廃止しましたが、d Wi-Fi・ソフトバンクWi-Fiなどの利用が可能です。一方、セイコーマートは独自Wi-Fi「seicomart-wifi」を提供しています。
駅のフリーWi-Fiは、新幹線・特急が止まる大きな駅に優先して設置されています。最寄り駅のフリーWi-Fiの有無は、各鉄道会社の公式サイトから確認しましょう。
大規模災害時でも、災害対策用移動電源車が来ればインターネット接続できるようになります。災害対策用移動電源車は、被災地に到着して60分以内に電話・インターネット接続が開始できる機能を備えています。
災害時に役立つアプリ・掲示板について紹介します。
ダウンロードやブックマークをしておけば、万が一の非常事態が起きても対応できます。
災害時には、各通信キャリアの災害用伝言板で家族・知人などの安否を確認しましょう。災害用伝言板には、以下のようなサービスがあります。
家族と前もって話し合い、どの伝言板を利用するか決めておくと被災時にもスムーズに安否確認ができるのでおすすめです。
防災アプリとは、災害時に必要な情報を提供してくれるアプリです。おすすめの防災アプリは以下の通りです。
まだ防災アプリをインストールしていない人は、この機会に最適なサービスを見つけましょう。
災害時のインターネット接続に有効なフリーWi-Fiですが、セキュリティに注意が必要です。セキュリティの甘いフリーWi-Fiは、なりすましや第三者からの盗聴の恐れがあるからです。たとえば、個人情報としてIDやパスワードが流出して不正ログインされるといったケースが考えられます。また、クレジットカード・銀行口座などの情報が流出して不正利用される可能性もあります。
通信セキュリティを強化するなら、VPNサービスを利用しましょう。VPN(Virtual Private Network)とは日本語で「仮想専用線」と訳される、通信セキュリティを向上させる技術です。さまざまなVPNプロバイダがサービスを提供していますが、日本語に対応しておりリーズナブルなNordVPNは日本で高い人気を得ています。
災害時・平時ともに通信セキュリティを高めて安全・快適なインターネット環境を構築しましょう。
パソコン・タブレット・スマートフォンで共通して、普段からとるべきセキュリティ対策を紹介します。以下の7つのポイントに気をつけて、セキュリティ対策を施しましょう。
また、災害時に備えて通信キャリアの災害用ネット・防災用アプリ・自治体の災害ネットなどをインストール・ブックマークしておきましょう。基本的なセキュリティ対策としては、知識のアップデート・データのバックアップを普段から心がけてください。
災害時には停電・回線の混雑などによってインターネット回線の接続が確保できない可能性があります。被災したときにインターネット回線を確保できるよう、本記事の内容を参考にしてください。また、非常時・平時ともにVPNなどによって通信セキュリティの向上を図りましょう。
今回の記事では、災害時におけるインターネットの役割・接続障害時の対策・防災アプリを解説しました。日本は災害の多い地域であるため、非常事態に備えて十分な対策を講じておきましょう。
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